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FAT32を選択しない方が良い理由

更新日:5月17日

皆さんこんにちは。

今回はファイルシステムを選択する際にFAT32を選択しない方が良い理由を解説していこうと思います。


FAT32とは?

まず初めにFAT32について理解しましょう。

これでFAT32について理解できない場合はこの記事を読むのをやめることをお勧めします。

FAT32とはMicrosoftが開発したファイルシステムで、Windows 95 OSR2で初登場しました。現在では小容量デバイスなどで使用されています。

現在ではOSのドライブとして使用されることはありませんが、USBやSDカードなどでは未だに使われていることが多いです。


理由その1: 4GBの壁

FAT32では最大ファイルサイズが4GBという制限があります。

この制限はなぜ存在するのかというと、FAT32はクラスタを追跡するために32ビットの値を使用するためです。この仕組みにより、各ファイルの最大サイズは2^31クラスタに制限されます。また、FAT32の仕様では各クラスタのサイズも最大で32KBに制限されています。これらを掛け合わせると、最大で約4GBになるため、これがFAT32のファイルサイズ制限となります。

なお、これとUSBやSDの容量は一切関係ありません。たとえ空き容量が256GBあったとしてもこの制限は回避することができません。

これを回避する方法は別のファイルシステム(NTFSなど)に変換するか4GBごとに分割して保存するしかありません。

4GB以上のファイルをコピーしようとすると次のメッセージが表示されます。

FAT32に4GB以上のファイルをコピーしようとすると表示されるメッセージ

余談ですが、このメッセージを簡単に出すにはWindows 10や11のISOファイルや長時間の動画をコピーすることです。


理由その2: 耐久性が低い

FAT32にはNTFSと違ってジャーナリング機能がありません。これはexFATも同じですが。

その結果、何らかの理由で(バッテリー切れなど)電源が落ちたりするととFAT32は壊れる可能性が非常に高くなります。

個人的には、一度壊れると頻繁に壊れる(頻度は後述)傾向があります。

つまり、NTFSが石だと仮定すると、FAT32はスライムのようなものです。

FAT32を毎日のように使用していると4カ月ごとに壊れます(私のスマホのSDカード(現在は挿入していません)の場合)。


理由その3: 2TB制限

FAT32ではその名の通り、32ビットのセクター番号を使用してデータを管理します。

そのため、2TB以上のストレージは扱うことができません。

USBやSDカードではほとんど支障ありませんが、外付けHDDやSSDなどでは注意が必要です。


理由その4: 32GBのフォーマット制限

FAT32ではWindows標準のツールでフォーマットする場合、32GBのサイズ制限を受けます。

32GBを超えるパーティションの場合はFAT32が表示されない
パーティションが32GBを超える場合、FAT32としてフォーマットできないい
formatコマンドでも同様
formatコマンドでも同様

つまり、SDXC以上のSDカードをFAT32にフォーマットできないということです。

これは一体何故かというと、Windows 95開発時に設定された仮の値であり、技術的な制限ではないということです。

ただし、サードパーティのソフトウェア(EaseUS Partition MasterやMiniTool Partition Wizardなど)はこの制限の影響を受けません。

なお、Windows 11 Build 27686ではこの制限が緩和され、FAT32の上限である2TBまでフォーマットできるようになっています(最新の製品版である24H2ではまだこの制限が残っています)。




理由その5: 断片化しやすい

以前記事でも紹介しましたが、FAT32にはNTFSと比べて断片化しやすいです。

これは、クラスタの配置方法や大容量データの効率的な保存に適していないこと、および断片化防止機能の欠如が要因です。


理由その6: パフォーマンスが低速

FAT32はパフォーマンスが低速です。

大容量ドライブでは特に顕著で、クラスタサイズが大きくなるほどパフォーマンスは低下します。

その結果、ファイルのコピーなどはNTFSやexFATに比べて遅くなります。


理由その7: セキュリティ機能の不足

FAT32にはNTFSのような暗号化機能やアクセス制御機能がありません。

これにより、誰もファイルにアクセスすることが可能です。

ほとんどの個人ユーザーはあまり気にならないかもしれませんが、セキュリティを重視するユーザーはFAT32は絶対に使用しない方が良いです。


どうしてもFAT32を使用する場合

  • ファイルサイズが大きくなりすぎないようにしましょう。

  • データのバックアップを頻繁に実施しましょう。

  • こまめにchkdskを実行しましょう。

  • 慎重に操作しましょう。


結論

以上のことから、FAT32は古いファイルシステムであるため互換性などの観点でどうしても使用する必要がある場合(exFATすらサポートしていないデバイスで使用する場合など)のみFAT32を選ぶことをお勧めします。

使用する予定の機器が1台しかない場合は、そのデバイスでフォーマット(カメラやビデオカメラなど)すると壊れることが少なくなるかもしれません。

WindowsとMacなどのような別OS同士でファイルを受け渡す必要がある場合はexFATを選択することをお勧めします。

「互換性なんてどうでもいい」や「Windows以外で使う予定がない」という人はNTFSの使用を強くお勧めします。


以上

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